日本の人口は、縄文時代は約27万人、弥生時代に約60万人、奈良時代600〜700万人…と、お米の生産量が増えるのにしたがって増加していきました。まさに、米は、命をつなぐ大切な食べ物だったわけです。
 ところで、米は、食べ物としてばかりではなく、私たち日本人の慣習や儀礼(ぎれい)の中に、今日でも深くかかわりをもっています。
日本各地での夏祭りや秋祭りは、田の神に豊作をいのったり、感謝することに由来しているといわれています。
田楽(でんがく)などの芸能も田植えのときのおはやしや歌が始まりだといわれています。相撲(すもう)では、土俵(どひょう)入りなどのときに
「四股(しこ)」をふむという動作がありますが、これは、大地をふみ、わざわいを追いはらい、豊作をもたらす田の神の力が田から消えないようにする、という意味があったと考えられています。
「さるかに合戦」や「おむすびころりん」など、民話や昔話などにも米をテーマにしたものがたくさんあります。
また、大切な儀式である誕生祝い、結婚式、葬式(そうしき)などの折には、米の神秘的な力にあやかろうと、白いごはんを高く盛って神物などに供えたり、米(精白米)を塩とともに供えたりする習慣も残っています。
 このように、米は、現在でも私たち日本人の生活文化に根づいているのです。


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