脂質異常症を予防し、動脈硬化に‟待った!” しなやかな血管を保つ日本型食生活

 平成27年10月22日、東京の日本医師会館において、「食育健康サミット2015 脂質の質を考慮した血管管理-健康寿命延伸のために(主催:公益社団法人日本医師会 公益社団法人米穀安定供給確保支援機構 後援:農林水産省他)」を開催いたしました。
 厚生労働省では、肥満・生活習慣病の予防等のため、「日本人の食事摂取基準2015年版」において、エネルギー産生栄養素バランスとして、たんぱく質(13~20%エネルギー)、脂質(20~30%エネルギー)、炭水化物(50~65%エネルギー)の目標量を比率で示し、弾力的な運用ができるようにしました。また、脂質の構成成分である脂肪酸については、質に配慮して、飽和脂肪酸の目標量(7%以下)を決め、その過剰摂取を控えることを明確にするとともに、LDLコレステロールが正常値の場合のコレステロールの摂取については、その上限値を削除しました。
 血管、特に、動脈の障害では、心臓病や脳血管疾患などによる死亡という問題だけでなく、寝たきりや認知症など生活の質を著しく落とす原因にもなるため、動脈硬化の予防が焦点になります。その際、生活習慣、食事、運動など包括的な取り組みが重要となりますが、食事の在り方としては、エネルギー収支の安定とともに、必要な栄養素を過不足なく摂取すること、脂質については、コレステロールと個々の脂肪酸のバランスに留意することが大切になってきます。
 そこで、今回は、肥満・生活習慣病予防のために、血管の老化を防ぎ、しなやかな血管を保つという観点から、脂質の質も考慮した日本型食生活の意義についてご講演いただきました。
 以下には、先生方の講演をまとめた小冊子のPDFを掲載しております。


健康寿命をのばすために、日本食を軸にした食の管理と生活改善を!

帝京大学臨床研究センター センター長 寺本 民生 先生

脂質管理には、減塩した日本食を

日本女子大学家政学部食物学科 教授 丸山 千寿子 先生

1975年頃の日本食には、肥満、生活習慣病予防のヒントがある

東北大学大学院農学研究科食品機能健康科学講座 准教授 都築 毅 先生

有酸素運動を取り入れ、動脈硬化の予防・改善を!

東京医科大学公衆衛生学分野 主任教授 井上 茂 先生

[献立] ごはんを主食とした一汁三菜の日本で、動脈硬化性疾患予防を!

[トピックス] 極端な糖質制限は、健康的な生活を阻害しかねない危険も

       アメリカから始まったコレステロール摂取制限排除の動き

       まだまだ日本では低いトランス脂肪酸の危険性への意識

 

  小冊子(PDF版)
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