米の飯を中心に魚や肉、野菜などを煮たり焼いたりと、いろいろなおかずを添えるいわゆる主食と副食の型をとるのは、日本や朝鮮半島、中国南部、東南アジアといった米作地帯の特色です。これに対して、欧米などでは米は野菜として扱います。
日本ではすでに弥生時代からこの型がとられていたようで、奈良時代には常食という言葉がすでにあります。飯を主食に汁とおかずがおのおの一品という一汁一菜が基本でした。おかずが多い時で二、三菜。貴族の宴会の場合はたくさんのおかずが並びました。しかし、料理はすべて冷めており、唯一熱いものは汁だったので、これを「あつもの」と呼びました。今の私たちの夕食の膳は内容こそバラエティに富んでいますが、皿数だけでは当時の中流階級並みといえるでしょう。