テーマ:「ごはん食で味覚を育む」
日本大学名誉教授 冨田寬先生

味覚障害が増える原因
何を食べてもおいしくない、甘味や塩味、酸味などがよくわからないという味覚障害の疑いのある方が最近増えています。甘いとか、塩辛いと感じるのは、舌や上あごにある、味らいがその味覚の情報をとらえて、神経を通して、脳に伝わっているからですが、味覚障害の多くは、この味らいが壊されて起こることが多いのです。原因は15ぐらいありますが、その主な原因として、食事によるもの、鬱病などの心因性、飲んでいる薬によることが多いのです。そのうち、食事性と薬剤性は、亜鉛不足によるものです。亜鉛は細胞の代謝に深く関わっていて、亜鉛が不足しますと、細胞の再生ができなくなる。すなわち味細胞が、新しくなれないわけです。そのため、味覚障害を起こすのです。