テーマ:「ごはん食は栄養バランス食」

高知大学名誉教授 針谷順子先生

栄養素は3つの料理を組み合わせて考える!

 最近、朝食や昼食を食べない人の割合が、特に20代で増えています。欠食をすると、1日に必要な栄養素がきちんととれません。私たちは発育や健康な生活のためにエネルギーや、たんぱく質、ビタミンなどの栄養素をとる必要があります。しかし、1つの食品ですべての栄養素を必要なだけ含んでいるものはないので、いろいろな食品を組み合わせて食べることになります。忙しい毎日の中で、毎食、食品の組み合わせを考えるとなかなか大変ですが、それを料理の組み合わせで考えると簡単だと思います。料理は主食、主菜、副菜という3つの料理で考えられます。

主食、主菜、副菜とは?

 主食というのは、ごはんなどのエネルギー源です。主菜は、魚や肉などのたんぱく質源です。副菜は、野菜や芋などで、ビタミンやミネラルの供給源です。この主食、主菜、副菜の3つを上手に組み合わせると、栄養素のバランスがよくなります。

主食(ごはん)・主菜・副菜が揃うと栄養素のバランスがとれる

 そして、ごはんが主食のときに、主食、主菜、副菜が揃いやすいことがわかっています。
 大学生の調査結果でも下図のように、ごはんが主食のときには、3.1品の料理が揃います。

ごはんが主食だとおかずが揃いやすい

ごはんは食事のリード役

 主食がごはんのときは、主菜は魚の塩焼きやフライものがあり、副菜はほうれん草のおひたしや煮物などです。パンが主食の場合には、副菜料理が揃わないこともわかっています。例えば、冷凍した1食分のごはんがあれば、他の料理を組み合わせて、簡単に食事ができ、欠食をしなくて、栄養のバランスがとれることになると思います。まさに、主食が、他の料理をつないでいる役割、リード役を担っていると思います。
 ごはんを主食にすることから、食事を考えたいと思います。