テーマ:「自分の食事量を弁当箱で把握する」

女子栄養大学名誉教授
NPO法人食生態学実践フォーラム理事長 足立己幸先生


弁当箱は便利なものさし

 食事の量やバランスを気にされる方は多いでしょう。1食に何をどのくらい食べればよいか簡単にわかる便利なものさしについて紹介します。それは、「3・1・2弁当箱法」と呼んでいます。これは多くの人たちの生活実験で確かめられた結果ですので、安心して使えます。
 
3・1・2弁当箱法には5つのルールがあります。

ルール1 自分に合った容量(ml)の弁当箱を選ぶ
 自分にとって1食に必要なエネルギー量と同じ数値の容量の弁当箱を選びましょう。
 例えば600kcalの人は600ml
ルール2 料理が動かないようにしっかり詰める
 ふたを重ねても、つぶれない程度の高さまですき間なく、しっかり詰めることでエネルギー量と栄養素をきちんととることができます。
ルール3 料理の組み合わせは主食3:主菜1:副菜2の表面積に
 最初に弁当箱の半分にごはん(主食3)を詰めます。残りのあいているところに、主菜1、副菜2を詰めます。こうすると、エネルギーや脂質などをとりすぎる心配がなく、いろいろなビタミン、ミネラル、食物繊維などもきちんととることができます。
ルール4 同じ調理法のおかずを重ねない
 油を多く使った料理は1品まで、塩味の濃い料理も1品まで。 
ルール5 何よりも大切なことはおいしそうなこと
 312の割合を守れば料理の詰め方は自由です。食べる人が「おいしそう!」と思うように。

主食3、主菜1、副菜2
<主食>

ごはん、パン、うどんなど

炭水化物の供給源

食事の中心的な位置を占め、他の料理の

リード役として重要な料理です。おかず

にも合わせやすい「ごはん」がおすすめです。

<主菜>

魚の塩焼き、卵焼き、ハンバーグなど

たんぱく質、脂質の供給源

おかずの中で中心的な位置を占めます。

<副菜> 

ほうれん草のおひたし、根菜の煮物、野菜サラダなど

ビタミン、ミネラル、食物繊維の供給源

主食・主菜の栄養面を補強し、味や彩りの多様さ、 季節性を生む料理です。 

弁当箱で自分にあった食事量を知ろう!

 まずは、食事の全体量を具体的に知ること。それを弁当箱でしっかり身に付けるのです。そして、初めは弁当箱を使いますが、慣れてきたらいつも使っている茶碗や皿に盛り替えてみて食べてみます。それを3回ほど繰り返すと自分にとっての1食の適量がよく身に付いてきます。
 この方法で実力が付くことは、小学生から高齢者まで、また男性の方もすべて生活実験で確かめられています。あなたもやってみませんか?

  弁当箱で自分にあった食事量を知ろう