テーマ:「食文化からみた健康ごはん食 II」

伝承料理研究家
大阪市立大学生活科学科非常勤講師 奥村彪生先生

「えいよう」って?!

 私たち人間は、身体(しんたい)を維持するために毎日食事をとらなくてはいけません。その結果、栄養素が体内に入って、血となり、肉となって、身体を養っていきます。そして、余分なものが排泄されるのです。ごはんを食べて、エネルギー源になるように、それぞれ食べたものは、人間の身体の中で営みをして、人間の身体を養っているのです。ですから、私は、「営み」と「養う」という意味で、「営養」(えいよう)という言葉を使っています。

    営養 = 食べたものが営みをして人間の体を養っている

    現在使われている「栄養」という文字は、実は子どもが栄達をして父母を養うという意味なのです。

    食文化が強める情緒や家族の絆

     私たちは生きるために人間以外の動植物の命を頂戴しています。そのことに感謝して、食前、食後に「いただきます」「ご馳走さま」というのです。
     最近では、ファーストフード化が進み過ぎ、その土地で育んできた食文化が崩され、結果、情緒や家族の絆まで失っていることになっているのではないでしょうか?
     挙げ句の果てには、健康を害してしまうところまで行きつくのではないでしょうか?ですから、今の若い人たちが、肉あるいは脂を中心にした食生活から早く抜け出さないと大変なことになると心配です。今、まさに食の大切さを再認識するときにきているのです。

    ごはんを基本にした食事がおすすめ!

     食文化からみた、日本人にとって健康的な食事としては、ごはんを基本に、野菜、海藻、きのこ、大豆製品のおかずを中心に魚や肉を組み合わせることをおすすめします。

    献立