テーマ:「糖尿病予防とごはん食の役割」

順天堂大学特任教授 河盛隆造先生

糖尿病が増加している

 わが国の糖尿病患者とその予備群は近年急速に増え、2007年には、2,210万人に達したと推計されています。

 


 糖尿病は、全身の細胞のエネルギーになる唯一の物質である血液中のブドウ糖の利用をいつもうまく保っているインスリンというホルモンの分泌が悪くなったり、働きが悪くなって、血液中にブドウ糖がだぶついている状態、つまり、血糖値が高い状態です。
 この糖尿病が続くと、全身の血管や細胞の機能が悪くなってしまい、血管が詰まりやすくなって、心筋梗塞などになってしまいます。

糖尿病の予防には、ごはん食を!

 インスリンの働きを悪くするのは、肥満であり、運動不足であり、さらに脂肪のとり過ぎです。糖尿病を予防するための食事としては、ごはんを中心にした和食がいいと思います。
 ごはんは、粒なので、ゆっくりと消化・吸収される。さらに食物繊維が含まれており、食後の血糖値を急激に上げない。そして、ごはんを十分とることによって、脂肪のとり過ぎを防ぐことができ、コレステロールや中性脂肪値なども上げない。また、ごはんは腹持ちが良いので間食をしなくなる。このようにごはんを中心とした食事は肥満や糖尿病を防ぐ力があると思います。