テーマ:「動脈硬化を予防するためのごはん食」

帝京大学臨床研究センター センター長 寺本民生先生

動脈硬化は心筋梗塞、脳梗塞を招く!

 動脈というのは、いろいろな栄養素や酸素などといった物を運ぶ役割をしています。その動脈は、子どもの時、非常にやわらかいゴムのような弾力性をもっているのですが、加齢とともにコレステロールが蓄積したり、いろいろな繊維が増えたりして硬くなってきます。そして、一部血液の流れが悪くなってくるのです。
 その結果として起こってくるものが、例えば、心臓に起これば狭心症、心筋梗塞、それから脳に起これば脳梗塞となるのです。こういったことを動脈硬化と呼んでいるのです。

動脈硬化は食習慣の改善によって予防できる

 動脈硬化というのはいろいろな原因が重なって起こるということが知られています。一つは加齢の問題があります。もう一つは、血圧が高い、血糖が高い、コレステロールが高いというようなことが原因で起こるのです。これらは肥満と非常に関係していることが知られています。

肥満すると血圧、血糖、コレステロールが高くなる


 肥満は、食習慣によって起こるわけですから、食習慣を改善することによって予防することができるということもできるのです。

ごはんを軸とした日本食が勧められる

 最近の日本人の体重というのは徐々に増えています。それとともに脂肪の摂取量は増加しているということと、その逆に今度はお米の摂取量というのが年々減少しているのです。
 こういった食生活の乱れというのが、体重増加というものをもたらしているのだと思います。
 ごはんを中心とした食生活は脂肪摂取量を減らすこともでき、もう一つは動脈硬化を予防するお魚であるとか、大豆、それから繊維の多い根菜類、それと海藻類、そういったものをうまく組み合わせることができるという意味では理想的な食事ができるのではないかと思います。
 

魚の摂取量と虚血性心疾患
 

大豆イソフラボンを摂取すると脳梗塞・心筋梗塞発症が減少する