テーマ:「元気に生き抜くごはんの食べ方-日本の伝統的な食生活の知恵を活かす-」
高齢者が寝たきりになる大きな特徴とは
高齢社会といわれる日本では、平成12年には、約120万人の高齢者が寝たきりといわれています。また、寝たきりのお年寄りは、約40%が、タンパク質・エネルギー欠乏状態に陥っています。この人たちを調べてみますと、大部分の人たちが、中年以後は、ごはんを十分に食べていませんでした。また、肥満、高血圧、糖尿病などの生活習慣病になることを恐れて、油脂やタンパク質を含む食べ物も差し控えていました。そうなると、必要な栄養素を食事からきちんととっていないことになります。
私たちは、何のために食べるかというと、「生活」のためです。図1のように、“生活”とは、生存して活動することです。生存することは、身体を維持していくということです。そこで、身体はタンパク質からできているとしました。一方、活動するには、エネルギーを必要とします。
【図1】
このように、タンパク質とエネルギーを取り挙げて、栄養学の体系が築かれてきました。
お米の意義と役割
図2のように、私たちが普段食べている精白米は、身体をつくるタンパク質と活動のためにエネルギーを供給するデンプンが含まれています。
ですから、白米のごはんは、生活のために必要な栄養成分を含んだ基本的な食べ物なのです。
【図2】
ごはんを毎日きちんと食べ、日本の伝統的な生活の知恵を活かす!
日本人は生活の知恵で、必要な栄養素を補ってきました。昔、おばあちゃんが、よく作った「おはぎ」は、「きな粉」でタンパク質を補っています。同じように、「あんころもち」や「赤飯」は「あずき」で、「豆餅」「豆カキ餅」は「大豆」でタンパク質を補ってきました。もちろん、ビタミン、ミネラルを含む野菜類をおしんこや煮物などで食べ合わせてきました。
こうした日本伝統の生活の知恵を現在にも活かして、寝たきりにならないで、元気に生涯を生き抜いていきたいものです。