東京逓信病院副院長・内科部長 |
肥満・肥満症とメタボリックシンドロームはどう違うのか |
肥満・肥満症とメタボリックシンドロームを正しく理解することは、自分自身の身体の状態を知るために重要なことです。 |
最近は、単に体重が多いことだけでなく、内臓脂肪の蓄積がより問題とされるようになってきました。メタボリックシンドロームの診断基準は、まさにその内臓脂肪の過剰蓄積に着目したものです。お腹まわりの大きさが男性85cm以上、女性90cm以上(内臓脂肪面積が100cm2以上)で、かつ血糖、脂質、血圧の3つのうち2つ以上の項目に異常がある場合がメタボリックシンドロームです。 |
メタボリックシンドロームはより危険な段階です |
肥満症とメタボリックシンドロームは重なり合う部分が多くあります。実際、お腹まわりが85cm以上の男性では、その95%以上がBMI25以上でした。また腹囲85p以上の50〜60歳代の男性では、その60%がメタボリックシンドロームでした。腹囲85p未満で見てみると、メタボリックシンドロームの割合は10%程度でしかありませんでした。逆に、BMI25以上の男性はほとんどの場合、お腹まわりが85cm以上あります。 |
ごはんを中心とした食生活は優れた肥満予防対策 |
もともと日本人は、肉や脂肪の多い食事をとってきませんでした。肥満症やメタボリックシンドロームが増えてきた背景には、急速な食の欧米化があります。牛乳・乳製品、肉類などの動物性脂肪の多い食品をとる機会が増え、その一方で、日常生活の中で体を動かす機会が減りました。それが、肥満症やメタボリックシンドロームが増えた理由です。 |
ごはんを中心とした日本型の食生活は、脂質をおさえ、魚や野菜などの食材とバランスよく組み合わせることができ、植物性たんぱく質も十分にとることができます。内臓脂肪を減らして肥満を防ぐ食習慣として、ごはんを主食とした日本型の食事のメリットを見直したいものです。 |
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制作・著作 公益社団法人 米穀安定供給確保支援機構 |